戦後最後の花婿移民奮戦記

日本に生まれ、異国の地に渡り住んだ私のつたない思いをつづります。

雲のように生きたい…

2022年08月07日 日曜日 夏目漱石について調べてみた。

作家である『 夏目 漱石』について調べてみた。
読み方は、ご存じの通り、『なつめ そうせき』


夏目漱石 生まれ


生まれは、1867年2月9日、慶応三年のこと。江戸牛込馬場下横町に生まれる。没年は、1916年12月9日、「明暗」の連載途中に胃潰瘍で永眠。享年50歳、だった。


夏目漱石 雅号


この『夏目漱石』というのは、雅号である。これは、


漱石枕流(そうせきちんりゅう)
石に漱ぎ流れに枕す(石にくちすすぎ流れにまくらす)


負け惜しみが強く、例えば、無理にこじつけて、自分の説を通そうとするこという。彼は、言文一致の文体で有名。当時の作家としては、斬新な考えを持っていたのだろう。つまり、負けず嫌いになって、どんなに形勢不利でも、自分の作品を押し通そう、独自の考えを世に知らしめようという思いで、金之助を改め、雅号、漱石にしたのかもしれない。この雅号を進めたのは、正岡子規。ちなみに、この石に漱ぎ流れに枕すというのは、中国のある武将が、友達に間違ってこのように言ってしまったからこの言葉が生まれた。本当は、


流れに漱ぎ、石に枕す(意味:俗世間から離れて、田舎でゆっくり暮らす)


これが、正解。この武将は、もう、隠居してゆっくり暮らしたいなぁと言うつもりで


石に漱ぎ流れに枕す


と言ってしまい、なんだよそれ?って武将の友達が笑うと、すぐに、


石に漱ぐのは、歯を磨くためだし、流れに枕するのは、耳を掃除するからだよ!


って、屁理屈を言ったとか。遠い昔の笑い話が、正しい表現を間違った表現にし、それが、今でいえば、面白いとみんなが『いいね』を押したので、この表現


石に漱ぎ流れに枕す


という間違った表現が残ったというわけ。この笑い話は、3世紀ころの話で、武将の名前は、孫楚(そんそ)、その友達の名前は、王済(おうさい)。


夏目漱石と家族


夏目漱石は、こへいなおかつを父とし、ちゑを母とする五男三女の末っ子として生まれた。ただ、このちゑは、こへいなおかつの後妻である。夏目漱石と仲が良かったとされるのは、10歳年上の長兄の大介。肺結核で31歳の若さで亡くなってしまう。望まれない末っ子として生まれ、あまりいい境遇ではなかったという。ただ、江戸の名家に生まれ育ったのは確かなことである。


夏目漱石と木曜会


夏目漱石は、『木曜会』というの開いていた。
自宅で、教員時代の教え子、若手文学者が集まって議論を交わしたという。小宮豊隆、鈴木三重吉、森田草平をはじめ、安倍次郎、寺田虎彦、芥川龍之介など多数。この『木曜会』というのは、正式な組織ではなく、自由な雰囲気で議論をすることを心掛けていた。それは、フランスのサロンのようなものだったという。木曜会に参加すると、楽しい知的饗宴にあずかることができたわけである。


夏目漱石 経歴


帝国大学文科大学(現在の東京大学文学部)を卒業、東京高等師範学校、松山中学、第五高等学校などの英語教師の生活を経て、1900年、文部省の留学生として、イギリスに留学。帰国後、第一高等学校で教鞭をとりながら、1905年に「吾輩は猫である」をホトトギスに発表し作家デビュー。彼が38歳。好評で、長編となったのは言うまでもない。続けて、1906年には、「坊っちゃん」「草枕」を発表。1907年に教員生活を辞め、朝日新聞社に入社。そして「虞美人草」「三四郎」などを発表するが、胃病に苦しみ、1916年12月9日、「明暗」の連載途中に胃潰瘍で永眠。享年50歳であった。夏目漱石は、生涯、高給取りであり、教員時代でも、校長よりも高給だったいう。新聞記者として働いていたときも、当時高給取りと言われた人の4倍は貰っていたというくらい、才能のあった作家であった。


夏目漱石 作風


全体としては、余裕派で、ゆったりとした気分で、自由に物事を眺める作風である。この余裕派は、『低徊趣味(ていかいしゅみ)』と『非人情』がテーマとなっている。


低徊趣味(ていかいしゅみ)』とは、夏目漱石の造語。世俗的な気持ちを離れ、余裕をもって、ちょっと離れたところから物事に触れようとする趣向のこと。


非人情』は、第三者としての立場をとり、一歩、離れたところから小説を書くという意味であり、渦中にいる人物の感情には流されてはいけないからこそ、『非人情』となる。


夏目漱石 まとめ


木曜会の在り方についても彼の作風についても、自由でフレキシビリティなものである。そして、教員時代は、真面目な性格がたたり、学生からは不評を買った時代もあり、病に伏してしまう。それでも、物事を客観的に面白くみる彼の作風は、私は大好きである。猫の目を借りて、言いたいことを言い放った『吾輩は猫である』は、とくに好きな作品である。


ちょっと、夏目漱石の本を読み返そうと、彼の生い立ちや経歴が気になり、調べたら、こんなになってしまった。悪しからず。

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